始めの挨拶でバチンと切ってしまうような会話では
最近に限らず、若い人の中には、日本人の会話のし方の基本をあまりわかっていない、という方もいらっしゃるようですね。 日本人というのは、最初から結論を言わない、という会話の特徴があります。手紙の書き方を見れば、一目瞭然んです。 まず始めに、季節の挨拶や時候の挨拶があります。「桜の花が見事に咲いて・・」とか「寒さもひとしおになり・・・」というようなものですね。次に、相手への気遣いがきます。「ますますご清祥のことと存じます」「お変わりもなくご活躍のことと・・・」という風にです。次に、やっと言いたいことの端著が表れ始めます。「さて、このたび私事ではありますが・・」などという風にです。最後にもっとも言いたかったことが出てきます。「実は、結婚式の仲人をお引き受け下さると幸いなのですが・・」というようにです。 ですから、何の変哲もない、季節の挨拶、時候の挨拶をされたからといって「それがどうかしたんですか」という態度をとってしまってはいけないのですね。「いやー、ほんとに暑いですね、昨今は」と、来社していたお客様からいわれて、「だって、夏ですから」という味も素っ気もない返答をした新入社員が、あとで上司にこってり叱られた、という話があります。こういうときには、「ええ、本当にお暑うございますね」「はい、会社帰りの冷たいビールが待ち遠しいです」といった、「相手の気持ちに共感する」返答が望ましいわけです。そこから、意外にも話者同士の共通点を見出したりして、ますます両社の関係が密になっていったりもするわけです。そして、取引の話に徐々に入っていくわけですから、始めの挨拶でバチンと切ってしまうような会話では日本の場合、だめなわけですね。